第18回 浅草で拾ったメディアの紹介 [97/03/03]

【拾った場所】リブロ浅草
【タイトル】「陰陽師」原作:夢枕 獏 作画:岡野玲子

最近ハマっている漫画だ。

所は平安京。都の邪を祓う「陰陽師」阿倍晴明がさまざまな悪霊・鬼と対峙するもので、時代設定が平安時代というところも「古典」に対しての知的興奮が高まる。(原点は今昔物語集のはず。今昔物語集は学生時代に好きなお話のひとつであった。)もう一人の主人公で、天子様の親戚である源博雅とのやりとりが面白く、まるでウルトラQの戸川一平のようだ。しかもこの男、管弦の使い手ときている。平安京という土地は明るいイメージの反面、何か「魑魅魍魎蠢く」というイメージも持っている。風水の見地からの言及も多く、長岡京からの遷都の理由も風水上の理由からだと言われている。この平安京では魔物を退治する役割であるはずの阿倍晴明であるが、なにか彼自身はその魔物を呼び寄せているようでなにか可笑しい。平安京と同様、東京も平将門の伝説よりの「魔都」と呼ばれている。浅草寺にもこうした「呪」や「風水」にまつわる話があってもよさそうだ。ここいらへんの文献にまつわる話をちょっと集めてみようか。


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