第13回 浅草で拾ったメディアの紹介 [96/11/25]

【行った場所】浅草松屋屋上だ。
【タイトル】屋上も立派なメディアの発信地だ。

 デパートの屋上というのは誰もが感じるノスタルジィな気持ちを醸し出す場所だ。そこにはノスタルジィ世界を作り出すキーワードがたくさんちりばめられている。やきそばやフランクフルト、グィングィン動くロボット、二昔前のゲームセンターにあったふるくさいゲームの音、でかくなった金魚(というよりも鯉)の泳ぐ釣り堀。退行するつもりはないけれど、何かほっとさせる空気がそこにある。
さらに、帰ってきたウルトラマンまでいる。これはあたしが幼稚園くらいのころ、ガチャガチャの機械になっていて、右膝下のあたりからまるいカプセルがでてくるといったもののはず。こんなのがいまでもあるなんてすごいところだ。
かつてこの屋上には観覧車があって、のったことはなかったけども、東武線が隅田川を渡るときの軋み音を聞きながらの風景にこの観覧車があらわれると(ついでにロッテの文字も見えると)あぁ、浅草にきたんだよなあ、なんてちっちゃいころおもっていた。この観覧車は森田芳光の映画「の、ようなもの」に、主人公が隅田川べりを早朝歩くシーンにチラとでてくる。雷門ではない浅草を象徴するような描き方でないところが、いい。
浅草松屋の屋上からはビューホテルや、アサヒビールのオブジェも(よくはないが)見える。松屋の建物はほかよりだいぶ低くなってしまったけども、「東京のかたち」がガラスケースにはいっているような感じがして、なんか、いい。ちょっとたちよってみてはどうだろう。


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