第4回 浅草で拾ったメディアの紹介 [96/05/11]

【拾った場所】ROX内新星堂
【タイトル】「Ancient Flowers」 Vita Nova(CDです)
まさによい音楽との出会いって邂逅ってことが多い。そしてそれは時々「カヴァー」という形をとって現れる。カヴァーする楽曲ってのはたいがい有名な曲が多く、遍く耳に馴染んでいることが多い。(例えばビートルズなどのロックの有名どころの曲やジャズのスタンダードナンバーなど)
ま、そんなのはラジオなどでひょいと耳にすることが多いので、「あ、また会ったね」って感じなのだけれど、今回の「
Ancient Flowers」は違っていたのだ。このアルバムはいろいろな国の古くからある楽曲(民族音楽というとわかりやすいか)をアレンジしていて、その中にはスカボローフェアやサミュエル・バーバーのアダージョ(映画プラトーンでの、手を挙げて撃たれちゃうシーンの曲で有名)なんかも入っているのだが、あたしが食指を動かされたのが「Cutting
Branches for a Temporary Shelter」という、ジンバブェの楽曲なのだけれど、これがその原曲やペンギンカフェオーケストラのカヴァーなどでたびたび邂逅しており、今回もたまたまあたしの好きな「小川美潮」のコーナーを覗いていたときこのアルバムを見つけ、まあひょんなことから邂逅したのであった。オリジナルはムビラという簡素な楽器でのアンサンブルなのだけれど、何かヒーリング効果があるようでとても気持ちのいい曲なのだ。今回の「Ancient Flowers」ではピアノや弦楽を使っているものの、その気持ちよさを損なうことなく演奏されている点に好感をもってしまった。
邂逅というのはとてもいいものに出くわすのだけれども邂逅という言葉が表すごとくそう幾度も現れてはくれないのが悲しいところだ。残念。
また新たな邂逅を求めるべく、いろんなコーナーを物色する日々である。
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